オスグット(膝下の痛み)とは?
膝下の成長痛としても知られているオスグット・シュラッターシンドローム(オスグット)について記載していきます。
診断
脛骨粗面(膝下)での圧痛や膝屈曲時痛などの徒手検査や、レントゲンやMRI、エコーなどによる画像診断も有用です。
症状が悪化してくると脛骨粗面での隆起が体表からも確認できます。
原因
オスグットは、10〜16歳の小中学生に多く起こり、特にジャンプやキック、ダッシュなどの膝にかかる負担の大きいスポーツをやっている男子に多くみられます。
脛骨粗面は、子どものうちは骨が成長していくために必要である、骨よりも軟らかい骨端軟骨と言われる組織になっていて、この骨端軟骨が骨になっていく事で大人の骨へとなっていきます。
大腿四頭筋と言われるももの前にある筋肉が、膝のお皿に膝蓋腱という腱にになり一度付着し、その後脛骨粗面に付着しています。
大腿四頭筋は膝を伸ばすための筋肉で、膝の屈伸やジャンプなど繰り返しその筋肉が使われることで、脛骨粗面が引っ張られることで炎症が起こり発生し、悪化してくると骨の隆起も起こります。
一度出てしまった骨は元には戻りません。
症状
脛骨粗面の圧痛や膝の屈伸など、ももの前の筋肉を使う事によって痛みを生じます。
鑑別疾患としては、①ジャンパーズニー(膝蓋腱炎)や②シンディングラーセン・ヨハンソン病、③分裂膝蓋骨などがあります。
①の痛みのでる原因となるのは、オスグットと同様で、臀部・大腿部の筋のタイトネスや膝の屈伸・ジャンプなどの繰り返し動作で起こる膝蓋腱の炎症です。
好発年齢は12歳〜20歳で、特に10代の男子に多くみられます。
②の痛みのでる原因となるのも、オスグットと同様で、臀部・大腿部の筋のタイトネスや膝の屈伸・ジャンプなどの繰り返し動作で起こる膝蓋骨下端部の炎症です。
好発年齢は、10〜13歳です。
③は膝蓋骨(膝のお皿)が生まれつき割れている場合に起こるもので、日常的には痛みがでません。
臀部・大腿部の筋のタイトネスや膝の屈伸・ジャンプなどの繰り返し動作で膝蓋骨に負担がかかることで痛みが発生します。
好発年齢は、10〜15歳の男子に多くみられます。
原因や好発年齢、痛みのでる部位は似ているものが多いですが状態によって治療は異なるので、原因を特定することや早期の治療が早期改善に繋がります。
予防
小・中学生ではとくに、練習量に対してストレッチの時間が圧倒的に足りてないことや、ストレッチのやり方が間違っていることが多々あります。
やる必要のある部位や正しいやり方をしっかりと覚えてやることが必要となります。
やり方が間違っていると伸びている気がするだけで全く効果が出ていないという場合もあります。
膝の前で痛みが出ますが、ストレッチの時はももの後ろも伸ばすことが重要となります。
ももの後ろやふくらはぎは必ず伸ばすようにしましょう!
どんなストレッチにも共通して言えるやり方のコツとしては、
1.深呼吸をしながら行う
2.リラックスして力を抜いて行う
3.どこに効くストレッチなのかを知り、どこに効いているのかを感じながら行う
この3点を必ず行うようにしてください!